結論から: 厚生労働省の「社会福祉施設等調査」(令和6年10月1日現在)では、障害福祉サービスの自立訓練は、生活訓練が1,681か所(前年比+51、令和2年比で約16.7%増)と増える一方、機能訓練は399か所(同-8)、宿泊型は223か所(同-2)で、令和2年からは減っています。同じ「自立訓練」でも、3つの区分で動きが分かれています。9月中の利用実人員は、生活訓練が14,351人(前年比約6.5%増)、機能訓練が1,092人、宿泊型が2,751人です。この事業は、障害者総合支援法第5条第12項と施行規則第6条の6により、訓練の期間が機能訓練は原則1年6月、生活訓練は原則2年(いずれも例外は3年)と区切られている点が特徴で、就労継続支援や生活介護のように長く通い続ける前提のサービスとは稼働の組み立て方が異なります。基準省令は、機能訓練で看護職員・理学療法士等・生活支援員の総数を利用者6人に1人以上、生活訓練で生活支援員を通常6人に1人以上(宿泊型の利用者は10人に1人以上)などと定めています。この記事では、自立訓練事業所の経営課題を6つに整理し、商談前に押さえたい公開情報をまとめます。

自立訓練を「通い続けるサービス」と同じに見ない理由

中小企業に共通する経営課題の型(人手不足・後継者不在・DXの遅れなど)は経営課題の見つけ方|中小企業10パターンで整理した通りです。障害福祉サービスの中でも、生活介護は日中の活動を継続して支える事業、就労移行支援は就職に向けた訓練の事業です。自立訓練は、その手前にあたる「生活や身体機能を整える訓練」を、期間を区切って行う事業です。

障害者総合支援法第5条第12項は、自立訓練を、障害者につき、自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、主務省令で定める期間にわたり、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練その他の主務省令で定める便宜を供与することと定めています。施行規則第6条の6はその期間を、身体機能の向上に係る「自立訓練(機能訓練)」は1年6月間(頸髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある障害者は3年間)、生活能力の向上に係る「自立訓練(生活訓練)」は2年間(長期間入院していたその他これに類する事由のある障害者は3年間)としています。同第6条の7は便宜として、機能訓練では理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション、生活訓練では入浴、排せつ及び食事等に関する自立した日常生活を営むために必要な訓練などを挙げ、いずれも障害者支援施設若しくはサービス事業所、又は障害者の居宅で行うものとしています。

この構造は、事業の組み立て方に直結します。期間が区切られているため、新しい利用者を迎え入れ続けることと、利用期間の終わりに向けて次の生活や就労へつなぐこと(出口)が、同時に経営の課題になります。概況の用語の説明では、宿泊型自立訓練は、知的障害又は精神障害を有する障害者に居室その他の設備を利用させて家事等の日常生活能力を向上させる支援を行うものとされ、統計では生活訓練とは別の行で集計されています。施行規則第25条第6号は、宿泊型自立訓練を「自立訓練(生活訓練)のうち利用者に対して居室その他の設備において、家事等の日常生活能力を向上するための支援を行うもの」と定義しています。この記事では、この3区分を分けて見ます。

業界の全体像を数字で見る

厚生労働省の「令和6(2024)年社会福祉施設等調査の概況」と、令和2年から令和5年の各概況から、次の数字が分かります。

  • 事業所数(各年10月1日、基本票の全数): 自立訓練(生活訓練)は令和2年1,440か所、令和3年1,491か所、令和4年1,583か所、令和5年1,630か所、令和6年1,681か所です。令和2年から241か所(約16.7%)増え、令和6年の前年比は51か所(3.1%)増です。自立訓練(機能訓練)は令和2年406か所、令和3年403か所、令和4年401か所、令和5年407か所、令和6年399か所で、令和2年からは7か所(約1.7%)減、令和6年の前年比は8か所(2.0%)減です。宿泊型自立訓練は令和2年233か所、令和3年225か所、令和4年228か所、令和5年225か所、令和6年223か所で、令和2年から10か所(約4.3%)減、前年比は2か所(0.9%)減です(増減率は当社計算)。令和6年の生活訓練の事業所数は機能訓練の約4.2倍です。複数の事業を行う事業所はそれぞれの事業に計上されます。また、障害者支援施設が実施する昼間実施サービス(自立訓練を含む)は含まれていません。
  • 利用実人員(各年9月中、詳細票の推計): 生活訓練は令和2年10,757人、令和3年12,449人、令和4年12,048人、令和5年13,481人、令和6年14,351人で、令和6年は前年より870人(約6.5%)、令和2年からは3,594人(約33.4%)増えました。機能訓練は令和2年977人、令和3年853人、令和4年888人、令和5年1,115人、令和6年1,092人で、令和6年は前年より23人(約2.1%)減りましたが、令和2年からは115人(約11.8%)増です。宿泊型は令和2年3,100人、令和3年2,881人、令和4年2,911人、令和5年2,858人、令和6年2,751人で、令和6年は前年より107人(約3.7%)、令和2年からは349人(約11.3%)減っています(増減率は当社計算)。
  • 利用延人数と1人当たり利用日数: 生活訓練の1人当たりの利用日数(9月中)は、令和2年13.2日、令和3年12.3日、令和4年12.8日、令和5年12.0日、令和6年11.2日です。利用延人数は令和5年161,262人から令和6年160,387人へ約0.5%減っており、利用実人員は増えたのに、1人当たりの日数は下がっています。機能訓練は令和2年7.5日、令和3年7.8日、令和4年7.9日、令和5年7.8日、令和6年7.7日で、ほぼ横ばいです。宿泊型は利用延人数・日数の欄が、概況の表章記号で「統計項目のあり得ない場合」を示す「・」とされ、数値が示されていません。
  • 常勤換算従事者数(各年10月1日、詳細票の推計): 生活訓練は令和2年4,001人、令和3年4,234人、令和4年4,514人、令和5年4,681人、令和6年5,060人(前年比+379人・約8.1%、令和2年比+1,059人・約26.5%)です。機能訓練は令和2年605人、令和3年664人、令和4年707人、令和5年729人、令和6年767人(前年比+38人・約5.2%、令和2年比+162人・約26.8%)です。宿泊型は令和2年1,244人から令和6年1,199人へ、約3.6%減っています(増減率は当社計算)。令和6年の生活訓練の内訳は、生活支援員3,292人、サービス管理責任者1,137人、保健師・看護師126人、訪問支援員120人です。機能訓練は、生活支援員187人、保健師・看護師123人、理学療法士・作業療法士106人、サービス管理責任者81人、訪問支援員6人です。宿泊型は、生活支援員740人、サービス管理責任者169人、保健師・看護師40人です。

数字の読み方には注意が必要です。事業所数は基本票の全数ですが、利用実人員、利用延人数、従事者数は詳細票からの推計値です。障害者支援施設が実施する昼間実施サービスは除かれており、施設入所と一体で行われる自立訓練の利用者・従事者は、今回の数字には含まれません。利用実人員や従事者数を事業所数で単純に割って1事業所当たりの値を出すことは、対象の範囲が異なる可能性があるため避けます(要検証)。基準の人員の数は、利用者の数(前年度の平均値)で決まります。

自立訓練事業所の経営課題、主要な6パターン

ここからは、上の数字と法令の定めを踏まえ、経営課題を整理します。個々の事業所の状況は個別に確認が必要です。

①3つの区分で動きが分かれる:生活訓練は増え、機能訓練・宿泊型は減少傾向

令和2年から令和6年にかけて、生活訓練は事業所が約16.7%、利用実人員が約33.4%、従事者が約26.5%増えました。一方、機能訓練の事業所は約1.7%減、宿泊型は事業所が約4.3%、利用実人員が約11.3%、従事者が約3.6%減っています。同じ自立訓練という名前でも、市場の動きが異なるため、自社の事業所がどの区分で、周辺の競合がどの区分で増えているかを分けて見る必要があります。統計からは、なぜ宿泊型が減っているのか(共同生活援助など他の住まいへの移行、設備の維持費、利用期間の制約など)の原因は分からず、要検証です。

また、生活訓練は利用実人員が増える一方で、1人当たりの利用日数が令和2年の13.2日から令和6年の11.2日へ下がっています。通う頻度が下がっているのか、短期間で終える人が増えているのか、通所日数の少ない利用者が増えているのかは統計からは分からず、要検証です。稼働は「利用者の数」と「利用日数」の二つの面から見る必要があります。

②利用期間が法令で区切られる:受入れと出口の循環をどう設計するか

施行規則第6条の6は、機能訓練の期間を1年6月間(頸髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある障害者は3年間)、生活訓練の期間を2年間(長期間入院していたその他これに類する事由のある障害者は3年間)と定めています。支給決定の期間は、施行規則第15条により、自立訓練では1月から12月までの範囲で、月を単位として市町村が定めます。つまり、利用者は一定期間で卒業していく前提で、新規の利用者を継続的に迎えなければ稼働が維持できません。生活介護のように、同じ利用者が長く通い続ける構造とは異なります。期間の延長や、期間後の再利用の取扱いは、通知などで定められている部分があり、今回確認した資料からは分からないため、要検証です。

基準省令第161条(生活訓練は第171条による準用)は、利用者が地域で自立した日常生活又は社会生活を営めるよう、指定就労移行支援事業者(第175条第1項)その他の障害福祉サービス事業を行う者等と連携して必要な調整を行うこと、住宅等における生活に移行した後も一定期間、定期的な連絡、相談等を行うことを義務付けています。出口の先(就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助、一般就労など)との連携は、法令上の義務であり、同時に新規の紹介を受ける導線でもあります。移行先の事業所との関係づくりは、就労移行支援や共同生活援助の事業所の状況も併せて見る必要があります。

③人員の基準:機能訓練は6対1と職種ごとの1人以上、生活訓練は6対1と宿泊型の10対1

基準省令第156条は、自立訓練(機能訓練)の従業者として、看護職員、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、生活支援員の総数を、事業所ごとに常勤換算方法で、利用者の数を6で除した数以上とし、そのうち看護職員、理学療法士等、生活支援員をそれぞれ1以上置くこととしています。看護職員のうち1人以上と生活支援員のうち1人以上は常勤でなければなりません。理学療法士等の確保が困難な場合は、これらに代えて、機能の減退を防止するための訓練を行う能力を有する看護師その他の者を機能訓練指導員として置くことができます。サービス管理責任者は、利用者60人以下で1以上、61人以上では1に、60を超えて40人又はその端数を増すごとに1を加えた数以上で、1人以上は常勤です。利用者の居宅を訪問して機能訓練を提供する場合は、これらに加えて、訪問による機能訓練を提供する生活支援員を1人以上置きます。

基準省令第166条は、自立訓練(生活訓練)の生活支援員を、常勤換算方法で、通常の利用者の数を6で除した数と、宿泊型自立訓練の利用者の数を10で除した数の合計数以上としています。宿泊型を行う場合は、地域移行支援員を事業所ごとに1人以上置きます。健康上の管理などの必要がある利用者がいるために看護職員を置いている事業所は、生活支援員及び看護職員の総数が同じ数以上で、それぞれ1以上です。生活支援員のうち1人以上は常勤、サービス管理責任者のうち1人以上も常勤です(宿泊型を行う事業所で利用者の支援に支障がない場合は、常勤でなくてもよいとされています)。利用者の数はいずれも前年度の平均値で、新規指定の場合は推定数です。たとえば、前年度平均の通常の利用者が12人、宿泊型の利用者が10人の生活訓練事業所は、生活支援員が常勤換算で2.0(12÷6)と1.0(10÷10)の合計3.0以上です(一例であり、実際の配置は個別の確認が必要です)。

統計から見ると、令和6年の生活訓練の従事者5,060人のうち生活支援員が3,292人、サービス管理責任者が1,137人、保健師・看護師が126人です。機能訓練は767人のうち、理学療法士・作業療法士が106人、保健師・看護師が123人です。生活訓練は、人員の基準が生活支援員を中心に組まれているため、生活支援員の確保と定着が配置の充足に直結します。

④指定の構造と設備:総量規制の列挙に含まれず、宿泊型は居室1人・7.43平方メートル以上

障害福祉サービス事業者の指定は、障害者総合支援法第36条第1項により、障害福祉サービスの種類と事業所ごとに、都道府県知事が行います。同条第2項は、就労継続支援その他の主務省令で定める特定障害福祉サービスの指定を、そのサービスの量を定めてするものとしており、施行規則第34条の20が定める特定障害福祉サービスは、生活介護、就労継続支援A型、就労継続支援B型です。自立訓練は、この条文には列挙されていません。つまり、法令の文言上は、自立訓練の指定は「量を定めて行う」対象ではありません(e-Govで確認した現行の条文)。ただし、人員・設備・運営の基準を満たしていることなど、指定の要件は別に必要で、具体の審査の運用は都道府県などによって異なる可能性があります(要検証)。

申請者は、施行規則第34条の21により、原則として法人であることが求められます。この条文が除外しているのは、療養介護の指定と、病院又は診療所により行われる短期入所の指定の申請で、自立訓練は除外の対象に含まれていません。指定は、障害者総合支援法第41条により、6年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失います。

設備は、基準省令第168条により、生活訓練の事業所に、訓練・作業室、相談室、洗面所、便所及び多目的室その他運営に必要な設備を設けることとされています(機能訓練は第158条による第81条の準用で同様)。宿泊型自立訓練を行う事業所は、これに加えて居室と浴室を設け、居室は1室の定員が1人、1室の面積が収納設備等を除いて7.43平方メートル以上とされています。宿泊型のみを行う事業所は、訓練・作業室を設けないことができます。居室の面積や定員は、改修や増床の費用に直結し、宿泊型が減少傾向にある背景の一つかもしれませんが、統計からは原因は分からず、要検証です。

⑤利用者から受け取れる費用と、計画の見直しの頻度

基準省令第159条(機能訓練)・第170条(生活訓練)は、自立訓練を提供した際に、利用者負担額の支払を受けるほか、食事の提供に要する費用、日用品費、日常生活においても通常必要となるもので利用者に負担させることが適当と認められる費用の支払を受けることができるとしています(施行規則第25条第6号が定める特定費用)。宿泊型自立訓練は、これらに加えて光熱水費と、居室の提供を行ったことに伴い必要となる費用(国又は地方公共団体の負担若しくは補助を受けて建築、買収又は改造された居室を除く)の支払を受けることができます(施行規則第25条第7号、基準省令第170条第4項)。食事・光熱水費・居室の費用の額は、別に厚生労働大臣が定めるところによるとされ、具体的な金額は今回確認できておらず、要検証です。受領にあたっては、あらかじめ説明して同意を得ること、領収証を交付することが必要です。

個別支援計画の見直しの頻度は、他のサービスより短く設定されています。基準省令第58条第9項は、サービス管理責任者が、計画の作成後、実施状況の把握(モニタリング)を行うとともに、少なくとも6月に1回以上、計画の見直しを行うと定めていますが、自立訓練に準用される第162条(機能訓練)・第171条(生活訓練)では、この「六月」が「三月」に読み替えられます。つまり、自立訓練では、少なくとも3月に1回以上、計画の見直しが必要です。利用期間が区切られている事業では、訓練の進み具合を短い間隔で確認する設計になっています。サービスの提供の記録は、生活訓練では、宿泊型を除いて提供の都度、宿泊型は提供日、内容その他必要な事項を記録し、利用者の確認を受けなければなりません(第169条の2)。利用者ごとの計画・モニタリング・記録の事務は、利用者数に応じて重くなり、事務負担が配置の余力に影響する点が経営課題になります。

⑥人材と連携:生活支援員の確保、共生型・基準該当という別ルート

令和6年の従事者のうち、生活訓練では生活支援員が約65%(当社計算)を占めます。生活支援員は、通常の利用者6人に1人以上、宿泊型は10人に1人以上という基準の中心で、常勤の生活支援員が1人以上必要です。機能訓練は、看護職員と理学療法士等の確保が、基準の充足とサービスの質の両方に関わります。理学療法士等を確保できない場合の機能訓練指導員の代替(第156条第4項)は、確保の難しさを制度が織り込んでいることを示しています。

基準省令には、介護保険の通所介護などの事業者が障害福祉の自立訓練を行う「共生型自立訓練(機能訓練・生活訓練)」(第162条の2以下、第171条の2以下)や、地域に自立訓練が提供されていないなどの場合に通所介護事業所等が行う「基準該当自立訓練」(第163条、第172条)の基準もあります。食堂及び機能訓練室の面積を、介護保険の利用者と自立訓練の利用者の合計数で割った面積が3平方メートル以上であること、従業者の員数が合計数を利用者とした場合に必要とされる数以上であること、指定自立訓練事業所などから技術的支援を受けていることなどが条件です。介護事業者側から障害福祉の利用者を受け入れる形も制度上あり、その運用の実態(件数、対象)は今回確認できておらず、要検証です。

基準省令第162条・第171条は、運営の規定の多くを準用しています。サービス提供困難時の対応、受給資格の確認、サービスの提供の記録、緊急時等の対応(第28条)、業務継続計画の策定(第33条の2)、身体拘束等の禁止(第35条の2)、秘密保持、苦情解決、事故発生時の対応、虐待の防止、会計の区分、記録の整備、非常災害対策、衛生管理などです。訓練の提供については、第160条が、適切な技術をもって訓練を行うこと、常時1人以上の従業者を訓練に従事させること、利用者の負担で事業所の従業者以外の者による訓練を受けさせてはならないことを定めています。

商談前に見ておきたい自立訓練特有の公開情報

自立訓練の事業所に営業やヒアリングを行う前に、次のような公開情報を確認しておくと、論点を絞りやすくなります。

  • 運営法人と、機能訓練・生活訓練・宿泊型のどれを行っているか: 区分によって、人員の基準(6対1、宿泊型は10対1など)と、利用期間の考え方が変わります。都道府県などが公表している指定事業所の一覧と、事業所の紹介ページで確認します。
  • 併設・多機能型の有無: 就労移行支援、就労継続支援、生活介護、共同生活援助、短期入所などを併せて運営していると、出口の紹介先を自社内で持てる一方、人員や記録の管理が複雑になります。
  • 利用定員・対象とする障害や状態、利用期間の説明: 運営規程や紹介ページで、対象と、標準的な利用期間、卒業後の進路がどう説明されているかを確認します。
  • 移行先との連携: 就労移行支援、就労継続支援、共同生活援助、一般就労などへの移行実績や連携先の記載があるか。基準省令第161条の連携と、移行後の連絡の体制を確認します。
  • 職員の人数と求人: 生活支援員、看護職員、理学療法士等、サービス管理責任者の人数と募集の有無。配置の充足を示すサインになる場合があります。
  • 記録と請求の事務: 個別支援計画(3月ごとの見直し)、モニタリング、サービス提供の記録、給付費の請求を、紙・表計算・専用システムのどれで行っているか。

これらを一件ずつ手作業で調べるとかなりの時間がかかりますが、会社名を入力するだけで公開情報を横断し、経営課題・提案システム・ROI・想定反論まで出典付きで調べられるZEROSYSリサーチのようなツールを使えば、当たりをつける作業そのものを効率化できます。調査は1社あたり10〜15分程度で、そのまま提案書のたたき台にできる形で出力されます。

よくある質問

自立訓練の事業所は全国にいくつありますか?

厚生労働省の令和6(2024)年社会福祉施設等調査(令和6年10月1日現在)では、自立訓練(生活訓練)事業が1,681か所、自立訓練(機能訓練)事業が399か所、宿泊型自立訓練事業が223か所です。生活訓練は前年(1,630か所)から51か所(3.1%)増え、機能訓練は前年(407か所)から8か所(2.0%)、宿泊型は前年(225か所)から2か所(0.9%)減っています。複数の事業を行う事業所はそれぞれの事業に計上され、障害者支援施設が実施する昼間実施サービスは含まれません。

機能訓練と生活訓練はどう違いますか?

施行規則第6条の6・第6条の7により、機能訓練は身体機能の向上に係るもので、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーションなどを行い、期間は1年6月間(頸髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある障害者は3年間)です。生活訓練は生活能力の向上に係るもので、入浴、排せつ及び食事等に関する自立した日常生活を営むために必要な訓練などを行い、期間は2年間(長期間入院していたその他これに類する事由のある障害者は3年間)です。基準省令では、第9章が機能訓練、第10章が生活訓練を定めています。

宿泊型自立訓練とは何ですか?

施行規則第25条第6号は、自立訓練(生活訓練)のうち、利用者に対して居室その他の設備において家事等の日常生活能力を向上するための支援を行うものを宿泊型自立訓練としています。厚生労働省の概況の用語の説明では、知的障害又は精神障害を有する障害者が対象とされています。基準省令第168条により、居室は1室の定員が1人、面積は収納設備等を除いて7.43平方メートル以上で、浴室も必要です。支給決定の細かい要件は、通知などで定められる部分があり、今回確認できておらず、要検証です。

自立訓練にも総量規制はありますか?

障害者総合支援法第36条第2項と第5項が定める「量を定めて指定する」「必要な量に達しているときは指定しないことができる」の対象は、施行規則第34条の20が定める特定障害福祉サービスで、生活介護、就労継続支援A型、就労継続支援B型です(e-Govで確認した現行の条文)。自立訓練は列挙されていません。ただし、人員・設備・運営の基準を満たしていることなど、指定の要件は別に必要です。具体の審査の運用は都道府県などの案内をご確認ください。

自立訓練の事業所にはどんな職員が必要ですか?

基準省令第156条(機能訓練)により、看護職員、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士、生活支援員の総数が、常勤換算で利用者の数を6で除した数以上で、それぞれ1以上、サービス管理責任者が利用者60人以下で1以上です。生活訓練は第166条により、生活支援員が、通常の利用者の数を6で除した数と宿泊型の利用者の数を10で除した数の合計以上で、宿泊型を行う場合は地域移行支援員が1以上、サービス管理責任者も置きます。利用者の数は前年度の平均値です。常勤の配置などの細かい条件は条文をご確認ください。

自立訓練の利用期間は、どのくらいですか?

施行規則第6条の6により、機能訓練は1年6月間、生活訓練は2年間が原則で、それぞれ頸髄損傷による四肢の麻痺その他これに類する状態にある障害者、長期間入院していたその他これに類する事由のある障害者は3年間とされています。支給決定の期間は、施行規則第15条により、1月から12月までの範囲で市町村が定めます。期間の延長や再利用の取扱いは、通知などで定められる部分があり、今回確認できておらず、要検証です。

利用者から受け取れる費用は何ですか?

基準省令第159条・第170条により、利用者負担額のほか、食事の提供に要する費用、日用品費、日常生活においても通常必要となるもので利用者に負担させることが適当と認められる費用を受領できます。宿泊型は、これらに加えて光熱水費と居室の提供に伴い必要となる費用も対象です(第170条第4項)。食事・光熱水費・居室の費用の額は、別に厚生労働大臣が定めるところによるとされ、金額は今回確認できておらず、要検証です。受領にあたっては、あらかじめ説明して同意を得ること、領収証を交付することが必要です。

指定の有効期間と更新はどうなっていますか?

障害者総合支援法第41条により、指定障害福祉サービス事業者の指定は6年ごとに更新を受けなければ、期間の経過によって効力を失います。更新の手続の時期や書類は都道府県ごとに案内されるため、指定を受けている都道府県などの案内をご確認ください。

まとめ

自立訓練事業所の経営課題は、①生活訓練が増え、機能訓練・宿泊型が減少傾向という3区分での動きの違い②機能訓練は原則1年6月、生活訓練は原則2年という利用期間の区切りと、受入れと出口の循環③機能訓練の6対1と職種ごとの1人以上、生活訓練の6対1と宿泊型の10対1という人員の基準④総量規制の列挙に含まれない指定の構造と、宿泊型の居室1人・7.43平方メートル以上という設備⑤食事・光熱水費・居室費などの利用者負担と、3月ごとの個別支援計画の見直し⑥生活支援員などの人材確保と、共生型・基準該当という別ルート、の6つに整理できます。報酬区分・加算、標準利用期間の取扱い・延長、収支差率、障害者支援施設が実施する昼間実施サービスを含む利用者数、定員充足率、対象となる障害や状態の細かい要件、食事・光熱水費・居室の費用の額、取消し件数などは今回確認できておらず、要検証です。商談前に、運営法人、実施している区分、併設・多機能型の有無、移行先との連携、人員、事務の方法などの公開情報を押さえることで、課題に合った提案の切り口を準備できます。

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