結論から: 厚生労働省の「社会福祉施設等調査」(令和6年10月1日現在)では、保育所等訪問支援事業は3,257か所で、令和5年の2,700か所から557か所(20.6%)増え、障害児通所支援の4事業と障害児相談支援の中で最も大きな伸び率でした。令和2年(1,582か所)からは1,675か所(約105.9%)、つまり約2倍です(当社計算)。9月中の利用実人員は令和6年に26,227人で令和2年の約3.1倍、常勤換算従事者は5,242人で約2.5倍に増えた一方、利用者1人当たりの月の訪問回数は令和2年から令和6年まで1.6回で変わっていません。児童福祉法上、指定は都道府県知事が事業所ごとに行い、基準省令は訪問支援員と児童発達支援管理責任者(1人以上は専従)を置くよう定めています。報酬・加算、訪問1回の時間、訪問先施設の内訳、併設の実態は告示や通知、公表資料にあり本記事では「要検証」と明記しているため、営業や開設の前に公的な一次情報で必ずご確認ください。

保育所等訪問支援を「放課後等デイサービスの出張版」と見ない理由

中小企業に共通する経営課題の型(人手不足・後継者不在・DXの遅れなど)は経営課題の見つけ方|中小企業10パターンで整理した通りです。この記事で扱うのは児童福祉法の「保育所等訪問支援」です。児童発達支援や放課後等デイサービスは放課後等デイサービス・児童発達支援の経営課題で扱いましたが、保育所等訪問支援は、障害のある子どもが事業所へ通うのではなく、支援者が子どもの通う場へ出向くという点で、事業の組み立てが異なります。同じ児童福祉法の施設でも、母と子が一緒に入所する施設は母子生活支援施設の経営課題で扱っています。

児童福祉法第6条の2の2第5項は、保育所等訪問支援を、保育所その他の児童が集団生活を営む施設として内閣府令で定めるものに通う障害児、または乳児院その他の同様の施設に入所する障害児につき、その施設を訪問し、障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援その他の便宜を供与することと定めています。施行規則第1条の2の5は、その施設として、乳児院、保育所、児童養護施設(乳児院・児童養護施設の経営課題も参照)、幼稚園、小学校(義務教育学校の前期課程を含む)、特別支援学校、認定こども園、その他児童が集団生活を営む施設として市町村が認める施設を挙げています。条文に挙がっていない施設が「市町村が認める施設」に当たるかどうかの運用は、今回確認した資料からは分からず要検証です。

基準省令(平成24年厚生労働省令第15号)第72条は、この事業を、障害児が障害児以外の児童との集団生活に適応できるよう、障害児の身体・精神の状況と置かれている環境に応じて適切かつ効果的な支援を行うものと定めています。事業所に置く従業者は、事業規模に応じて訪問支援を行うために必要な数の訪問支援員と、1人以上の児童発達支援管理責任者で、児童発達支援管理責任者のうち1人以上は専らその事業所の職務に従事する者でなければなりません(第73条)。

業界の全体像を数字で見る

厚生労働省の「令和6(2024)年社会福祉施設等調査の概況」と、令和2年から令和5年の各概況から、次の数字が分かります。

  • 事業所数(各年10月1日、基本票の全数): 令和元年1,335か所、令和2年1,582か所、令和3年1,930か所、令和4年2,281か所、令和5年2,700か所、令和6年3,257か所です。前年比は令和2年+247か所(18.5%増)、令和3年+348か所(22.0%増)、令和4年+351か所(18.2%増)、令和5年+419か所(約18.4%増。令和6年概況の前年欄から算出)、令和6年+557か所(20.6%増)で、6年連続で2割前後の伸びが続いています。令和元年からは+1,922か所(約144.0%増)、令和2年からは+1,675か所(約105.9%増)です(当社計算)。令和6年の概況本文は、対前年増減率が最も高い事業として保育所等訪問支援(20.6%)を挙げています。
  • 利用実人員(各年9月中、詳細票の推計): 令和2年8,573人、令和3年8,876人、令和4年14,643人、令和5年20,875人、令和6年26,227人です。前年比は令和3年約3.5%増、令和4年約65.0%増、令和5年約42.6%増、令和6年+5,352人(約25.6%増)で、令和2年からは+17,654人(約205.9%増、約3.06倍)です(当社計算)。令和4年に大きく増えた理由は統計から分からず、要検証です。
  • 訪問回数(各年9月中、詳細票の推計): 訪問回数の合計は令和2年13,340回、令和3年14,501回、令和4年23,308回、令和5年34,238回、令和6年43,096回(令和2年から約223.1%増。当社計算)です。利用者1人当たりの訪問回数は、令和2年から令和6年まで毎年1.6回でした。9月中の1人当たり訪問回数なので、年間の訪問回数や、訪問1回の時間、利用期間は統計から分かりません。
  • 常勤換算従事者数(各年10月1日、詳細票の推計。9月中に利用者がいた事業所の従事者数): 令和2年2,079人、令和3年2,102人、令和4年3,157人、令和5年4,121人、令和6年5,242人です。令和6年は前年から+1,121人(約27.2%増)、令和2年からは+3,163人(約152.1%増)です(当社計算)。令和6年の内訳は、訪問支援員2,991人(約57.1%)、児童発達支援管理責任者1,852人(約35.3%)、その他399人(約7.6%)です。令和2年は訪問支援員1,238人(約59.5%)、児童発達支援管理責任者697人(約33.5%)、その他143人でした。令和2年からの増加率は訪問支援員が約141.6%、児童発達支援管理責任者が約165.7%です(当社計算。令和2年・令和3年は表の端数処理で内訳の合計が総数と1人ずれます)。
  • 1事業所当たりの規模感(当社計算の参考値): 利用実人員を事業所数で割ると、令和2年約5.4人、令和6年約8.1人です。訪問回数の合計を事業所数で割ると、9月中に令和2年約8.4回、令和6年約13.2回です。従事者総数を事業所数で割ると令和2年約1.31人、令和6年約1.61人、利用実人員を訪問支援員(常勤換算)で割ると令和2年約6.9人、令和6年約8.8人です。事業所数は全数、他は推計値で時点も異なるため、実際の担当人数や配置の過不足を示すものではありません。
  • 障害児通所支援の事業所数との比較(令和6年・参考): 児童発達支援14,855か所、居宅訪問型児童発達支援332か所、放課後等デイサービス22,643か所、保育所等訪問支援3,257か所で、4事業の合計は41,087か所です。令和2年(児童発達支援8,849、居宅訪問型172、放課後等デイサービス15,519、保育所等訪問支援1,582の合計26,122か所)からは約57.3%増で、保育所等訪問支援が4事業の合計に占める割合は約6.1%から約7.9%になりました(当社計算。複数の事業を行う事業所はそれぞれの事業に計上されるため、事業所の重なりは統計から分かりません)。9月中の利用実人員は、令和6年に児童発達支援が272,333人、放課後等デイサービスが633,631人、居宅訪問型児童発達支援が437人(1人当たり訪問回数3.9回)で、保育所等訪問支援の26,227人は児童発達支援の約9.6%、放課後等デイサービスの約4.1%に当たります(当社計算。同じ子どもが複数の事業を使っている重なりは統計から分かりません)。

数字の読み方には注意が必要です。事業所数は基本票の全数ですが、利用実人員・訪問回数・従事者数は詳細票からの推計値で、標本調査に伴う誤差を含みます。利用実人員と訪問回数は9月中、事業所数と従事者数は10月1日現在で時点が異なり、従事者数は9月中に利用者がいた事業所だけの数字です(表8の注)。表7の利用実人員と訪問回数は、不詳の事業所を除いています(表7の注)。上の「1事業所当たり」や「訪問支援員1人当たり」は統計の数字を単純に割った当社の参考値で、基準省令が定める配置とは母数・時点・常勤換算の扱いが異なります。報酬の区分、収支差率、経営主体別の構成、訪問先施設の種類別の内訳、児童発達支援や放課後等デイサービスとの併設割合、訪問1回の時間は今回確認した資料からは把握できず、要検証です。

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保育所等訪問支援事業所の経営課題、主要な6パターン

ここからは、上の数字と法令の条文を踏まえ、経営課題を整理します。報酬や加算といった細かい条件は今回確認できていないため、確認できた範囲に絞り、断定を避けます。個々の事業所の状況は個別に確認が必要です。

①事業所は4年で約2倍、1事業所当たりの利用者も約5.4人から約8.1人へ:「増えた事業所数」と「1か所の稼働」を分けて見る

令和6年は3,257か所と、令和2年から1,675か所増え、伸び率は毎年2割前後で推移しています。利用実人員は約3.1倍、訪問回数の合計は約3.2倍で、事業所数の伸び(約2.1倍)を上回っており、1事業所当たりの利用実人員は約5.4人から約8.1人、9月中の訪問回数は約8.4回から約13.2回へ増えた計算です(当社計算の参考値)。ただし、事業所によって規模は大きく異なり、平均値は個々の事業所の稼働を示しません。新規に指定を受けた事業所が継続的に利用者を受け持てているか、紹介元(保護者・児童発達支援や放課後等デイサービスの事業者・市町村・訪問先施設)がどこかは、統計から分からず要検証です。令和4年に利用実人員が約65.0%増え、従事者も約50.2%増えた理由も、今回の資料からは把握できません。

②1人当たり訪問回数は月1.6回で横ばい:稼働は「訪問の頻度」ではなく「利用者の人数」で決まる構造に見える

利用者1人当たりの9月中の訪問回数は、令和2年から令和6年まで毎年1.6回です。同じ表7に載る居宅訪問型児童発達支援の3.9回(令和6年)や、利用者1人当たり利用回数が児童発達支援で5.2回・放課後等デイサービスで6.4回(定義は「利用回数」で別の指標)と比べると、訪問頻度が低い使われ方であることが分かります。この数字から、1事業所の訪問回数は、利用者の人数と、1人当たりの回数が決める構造だと読めます。ただし、1回の訪問時間、移動時間、訪問前後の打ち合わせや記録に要する時間は統計に載っておらず、訪問支援員1人が月に何回の訪問を担えているかは分かりません(要検証)。月の中で訪問が集中する時期や、学校・保育所の長期休暇の影響も、今回の資料からは把握できません。

③従事者の約57%が訪問支援員、約35%が児発管:専従の児童発達支援管理責任者と、管理者の兼務の読替えを確認する

令和6年の従事者(常勤換算)5,242人のうち、訪問支援員が2,991人(約57.1%)、児童発達支援管理責任者が1,852人(約35.3%)です(当社計算)。基準省令第73条は、訪問支援員は事業規模に応じて必要な数、児童発達支援管理責任者は1人以上とし、そのうち1人以上は専らその事業所の職務に従事する者であることを求めています。管理者は、児童発達支援の規定(第7条)が準用され、専らその職務に従事する者を置くのが原則で、管理上障害児の支援に支障がない場合は事業所の他の職務や他の事業所等の職務を兼ねることができます。ただし、第74条の読替えにより、訪問支援員と児童発達支援管理責任者を併せて兼ねる場合は、この兼務の例外から除かれています。児童発達支援管理責任者の割合は令和2年の約33.5%から約35.3%へわずかに上がり、利用者の人数に応じて訪問支援員が増えるとき、計画を作る側の人員をどう確保するかが論点になりえます。訪問支援員・児童発達支援管理責任者の資格や研修の細目は告示や通知にあり、今回は取得していないため要検証です。

④訪問先施設が計画と評価に入る:保育所等訪問支援計画、訪問先施設評価、年1回以上の公表

基準省令第79条は、児童発達支援の規定のうち、取扱方針(第26条)や計画の作成(第27条)などを保育所等訪問支援に準用し、「児童発達支援計画」を「保育所等訪問支援計画」と読み替えています。事業所の質の評価では、従業者による評価を受けた自己評価と保護者評価に加え、訪問する施設(訪問先施設)による評価(訪問先施設評価)を受けて改善を図ることとされ、評価の結果と改善の内容は、おおむね1年に1回以上、保護者と訪問先施設に示すとともに、インターネットの利用その他の方法で公表するものとされています(第26条第6項・第7項の読替え)。計画の原案を検討する会議では、訪問先施設の担当者も参加者に含まれます(第27条第5項の読替え)。計画は、児童発達支援管理責任者が障害児と保護者の意向を踏まえて作り、同意を文書で得て、少なくとも6月に1回以上、見直しを行うこととされています(第27条第8項)。訪問先施設との調整、評価の実施方法、公表の実務を事業所ごとにどう運用しているかは統計から分からず、要検証です。なお、領域を示した第26条第4項は準用から除かれ、第27条第4項の読替えでも領域との関連性の部分は除かれています。

⑤指定は都道府県知事・種類と事業所ごと・6年更新、量を定める指定の対象は児発と放デイ:新規参入の入口の仕組みを見る

障害児通所支援事業者の指定は、都道府県知事が、障害児通所支援の種類と事業所ごとに行います(児童福祉法第21条の5の3第1項・第21条の5の15第1項)。指定は6年ごとの更新を受けなければ効力を失います(第21条の5の16第1項)。申請書は事業所の所在地を管轄する都道府県知事に出し、記載事項には事業所の平面図と設備の概要、管理者と児童発達支援管理責任者の氏名・経歴、運営規程、苦情解決の措置、従業者の勤務体制などが含まれます(施行規則第18条の30)。先に取り上げた障害児相談支援の指定は市町村長が行うため、同じ児童福祉法の事業でも指定権者が異なります。また、法第21条の5の15第2項の「量を定めて行う指定」の対象となる特定障害児通所支援は、施行規則第18条の30の2により、児童発達支援(肢体不自由児に対する治療を行うものを除く)と放課後等デイサービスとされています。同条第5項の、都道府県障害児福祉計画の達成に支障を生ずるおそれがある場合に指定をしないことができる規定は、特定障害児通所支援についての申請に置かれたもので、施行規則が挙げる特定障害児通所支援に保育所等訪問支援は含まれていません。この違いが事業所数の伸び方にどう影響したかは、統計から分からず、要検証です。

⑥届出・業務管理体制・設備・費用の説明・記録:運営の管理コストを見る

事業所の名称・所在地などに変更があったときは10日以内に、廃止・休止しようとするときは1月前までに、都道府県知事へ届け出ます(法第21条の5の20第3項・第4項、施行規則第18条の35)。事業者は業務管理体制の整備についても、こども家庭庁長官・都道府県知事・指定都市・中核市の市長のいずれか事業者の区分に応じた届出先へ届け出ます(法第21条の5の26第1項、施行規則第18条の38)。設備は、居宅訪問型児童発達支援の規定(第71条の10)が準用され、事業の運営を行うために必要な広さの専用の区画と、支援に必要な設備・備品を備えることとされています(第75条)。従業者に身分を証する書類を携行させ、初回の訪問時や求められたときに提示するよう指導すること、通常の事業の実施地域以外で支援を行う場合の交通費は、あらかじめ額を説明して保護者の同意を得ること、運営規程に通常の事業の実施地域を定めること(第71条の11から第71条の13の準用)も、訪問型ならではの事務です。記録は、提供した支援の記録、保育所等訪問支援計画、苦情・事故の記録などを提供した日から5年間保存します(第54条第2項の準用、読替え)。こうした管理業務と、訪問の日程調整・移動・記録の事務を、どの程度の人員と仕組みで回しているかは事業所ごとに異なり、統計から分かりません。

商談前に見ておきたい保育所等訪問支援特有の公開情報

保育所等訪問支援の事業所に営業やヒアリングを行う前に、次のような公開情報を確認しておくと、論点を絞りやすくなります。

  • 運営法人と併設事業: 児童発達支援・放課後等デイサービスや障害児相談支援を同じ法人が運営しているか、保育所・学校・児童養護施設を運営する法人か。都道府県や市町村が公表している指定事業所の一覧と、事業所の紹介ページで確認します。
  • 訪問できる地域と訪問先: 運営規程の「通常の事業の実施地域」(第71条の13)。対応する市町村が限られているか、保育所・幼稚園・認定こども園・小学校・特別支援学校など、どの種類の施設を主に訪問しているか。
  • 訪問支援員と児童発達支援管理責任者の人数と求人: 訪問支援員の人数、児童発達支援管理責任者の専従の人数、募集の有無・条件(資格の細目は告示で、要検証)。
  • 管理者と各職種の兼務の状況: 管理者が訪問支援員や児童発達支援管理責任者を兼ねているか(第7条・第74条の読替え)。
  • 計画・評価の運用: 保育所等訪問支援計画、訪問先施設との会議、自己評価・保護者評価・訪問先施設評価とその公表を、紙・表計算・専用システムのどれで管理しているか(第26条・第27条の読替え)。
  • 訪問の日程・移動・記録の事務: 訪問先ごとの日程調整、移動、訪問記録、保護者・訪問先施設への報告を誰がどの方法で行っているか。1人当たり月1.6回という訪問頻度に合わせた予定管理の工夫があるか。

これらを一件ずつ手作業で調べるとかなりの時間がかかりますが、会社名を入力するだけで公開情報を横断し、経営課題・提案システム・ROI・想定反論まで出典付きで調べられるZEROSYSリサーチのようなツールを使えば、当たりをつける作業そのものを効率化できます。調査は1社あたり10〜15分程度で、そのまま提案書のたたき台にできる形で出力されます。

よくある質問

保育所等訪問支援の事業所は全国にいくつありますか?

厚生労働省の令和6(2024)年社会福祉施設等調査(令和6年10月1日現在)では、保育所等訪問支援事業が3,257か所です。前年(2,700か所)から557か所(20.6%)増え、令和2年(1,582か所)からは約105.9%(当社計算)増えています。複数の事業を行う事業所はそれぞれの事業に計上されるため、児童発達支援事業(14,855か所)などと事業所が重なっている可能性があります。

保育所等訪問支援とは何ですか?

児童福祉法第6条の2の2第5項は、保育所その他の児童が集団生活を営む施設として内閣府令で定めるものに通う障害児、または乳児院などの施設に入所する障害児について、その施設を訪問し、障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援その他の便宜を供与することと定めています。施行規則第1条の2の5は、対象の施設として乳児院、保育所、児童養護施設、幼稚園、小学校、特別支援学校、認定こども園などを挙げています。

放課後等デイサービスとはどう違いますか?

放課後等デイサービスは、就学している障害児が授業の終了後や休業日に児童発達支援センターなどの施設に通う支援です(児童福祉法第6条の2の2第3項)。保育所等訪問支援は、障害児が通っている保育所などを支援者が訪問する支援です(同第5項)。統計上も別の行で集計され、令和6年の事業所数は放課後等デイサービスが22,643か所、保育所等訪問支援が3,257か所です。基準省令では、放課後等デイサービスは第4章、保育所等訪問支援は第6章が別に定めています。

保育所等訪問支援の人員基準はどうなっていますか?

基準省令(平成24年厚生労働省令第15号)第73条は、事業所に訪問支援員(事業規模に応じて訪問支援を行うために必要な数)と児童発達支援管理責任者(1人以上)を置くことを求め、児童発達支援管理責任者のうち1人以上は専ら当該事業所の職務に従事する者でなければならないと定めています。管理者は準用される第7条で専らその職務に従事する者が原則とされ、管理上支障がない場合は兼務できますが、読替えにより、訪問支援員と児童発達支援管理責任者を併せて兼ねる場合は例外から除かれます。訪問支援員の資格や研修の細目、報酬上の基準は告示等で定められており、最新の条文・告示は確認が必要です。

保育所等訪問支援の従事者はどのくらいいますか?

令和6年10月1日現在の常勤換算従事者数は5,242人で、前年(4,121人)から約27.2%(当社計算)増えています(詳細票の推計。9月中に利用者がいた事業所の従事者数)。内訳は、訪問支援員2,991人、児童発達支援管理責任者1,852人、その他399人です。9月中の利用実人員は26,227人、訪問回数の合計は43,096回で、1人当たり訪問回数は1.6回です。

保育所等訪問支援事業者の指定は誰が行いますか?

児童福祉法第21条の5の3第1項は、都道府県知事が指定する障害児通所支援事業を行う者を指定障害児通所支援事業者と定めています。指定は障害児通所支援の種類と事業所ごとに申請により行い(第21条の5の15第1項)、6年ごとに更新を受けなければ効力を失います(第21条の5の16第1項)。申請書は事業所の所在地を管轄する都道府県知事に提出します(施行規則第18条の30)。障害児相談支援の指定は市町村長が行うため、指定権者が異なります。

まとめ

保育所等訪問支援事業所の経営課題は、①事業所は令和2年から約2倍の3,257か所に増え、1事業所当たりの利用者も約5.4人から約8.1人へ増えた計算で、事業所数の増加と1か所の稼働を分けて見る必要があること②1人当たりの訪問回数は5年間1.6回のままで、稼働は利用者の人数で決まる構造に見え、訪問時間や移動の実態は要検証であること③従事者の約57%が訪問支援員、約35%が児童発達支援管理責任者で、専従の児童発達支援管理責任者の確保と管理者の兼務の読替えを確認すること④訪問先施設が計画の会議と評価に入り、年1回以上の公表も定められていること⑤指定は都道府県知事が種類と事業所ごとに行い6年ごとに更新があり、量を定める指定の対象(特定障害児通所支援)は児童発達支援と放課後等デイサービスで、保育所等訪問支援は含まれないこと⑥届出・業務管理体制・専用の区画・費用の説明・5年間の記録保存など管理業務がかかること、の6つです。営業やヒアリングの前に、事業所の併設事業、訪問できる地域と訪問先、訪問支援員と児童発達支援管理責任者の人数、運営規程を公開情報で整理しておくと、論点を絞りやすくなります。