結論から: 厚生労働省の「社会福祉施設等調査」(令和6年10月1日現在)では、障害児相談支援事業は9,548か所で、令和5年の9,103か所から445か所(4.9%)増えました。令和2年(7,772か所)からは1,776か所(約22.9%)の増加です(当社計算)。9月中の利用実人員は令和6年に124,886人で令和2年から約45.0%増、常勤換算従事者は18,130人で約40.3%増と、事業所数の伸びを上回る速さで利用者と担い手が増えています。一方、同じ期間に障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービスなど4事業)の事業所数は26,122か所から41,087か所へ約57.3%増えており(当社計算、複数事業の兼営は重複計上)、障害児相談支援の事業所数の増え方は通所支援より緩やかです。根拠法は障害者総合支援法ではなく児童福祉法で、指定は市町村長が事業所ごとに行い、計画は通所給付決定の前後で作成します。報酬・加算、件数の区分、併設の実態は告示や通知、公表資料にあり本記事では「要検証」と明記しているため、営業や開設の前に公的な一次情報で必ずご確認ください。

障害児相談支援を「計画相談支援の子ども版」と見ない理由

中小企業に共通する経営課題の型(人手不足・後継者不在・DXの遅れなど)は経営課題の見つけ方|中小企業10パターンで整理した通りです。この記事で扱うのは児童福祉法の「障害児相談支援」です。障害のある大人のサービス等利用計画を作る計画相談支援事業所と相談支援専門員という職種は共通しますが、根拠法・利用の入口・計画の中身が別に定められており、同じ事業所が両方の指定を受けて運営することもあります。

児童福祉法第6条の2の2は、障害児相談支援を、障害児支援利用援助と継続障害児支援利用援助を行うことと定めています(第6項)。障害児支援利用援助は、通所給付決定の申請に係る障害児の心身の状況、置かれている環境、障害児またはその保護者の意向などを勘案して、利用する障害児通所支援の種類・内容などを定めた「障害児支援利用計画案」を作成し、給付決定が行われた後に関係者との連絡調整を行うとともに「障害児支援利用計画」を作成することです(第7項)。継続障害児支援利用援助は、通所給付決定の有効期間内に、利用状況を内閣府令で定める期間ごとに検証し、計画の見直しを行って、計画を変更するか、新たな給付決定や変更の申請を勧めることです(第8項)。

費用の支給の相手も異なります。第24条の26は、市町村が「障害児相談支援対象保護者」(計画案の提出を求められた申請に係る障害児の保護者と、通所給付決定保護者)に対し、市町村長が指定した事業者から指定障害児支援利用援助・指定継続障害児支援利用援助を受けた場合に障害児相談支援給付費を支給すると定めています。つまり利用者の入口は保護者で、障害児通所支援(児童発達支援・放課後等デイサービスなど)の給付決定とつながって初めて動く仕組みです。なお、身近な地域に指定障害児相談支援事業者がない場合や、保護者が事業者以外の者の作成する計画案の提出を希望する場合には、その計画案を提出できる仕組みがあります(法第21条の5の7第5項、施行規則第18条の14・第18条の15)。

業界の全体像を数字で見る

厚生労働省の「令和6(2024)年社会福祉施設等調査の概況」と、令和2年から令和5年の各概況から、次の数字が分かります。

  • 事業所数(各年10月1日、基本票の全数): 令和元年7,254か所、令和2年7,772か所、令和3年8,130か所、令和4年8,619か所、令和5年9,103か所、令和6年9,548か所です。前年比は令和2年+518か所(7.1%増)、令和3年+358か所(4.6%増)、令和4年+489か所(6.0%増)、令和5年+484か所(約5.6%増。令和6年概況の前年欄から算出)、令和6年+445か所(4.9%増)で、6年連続で増えています。令和元年からは+2,294か所(約31.6%増)、令和2年からは+1,776か所(約22.9%増)です(当社計算)。令和6年の計画相談支援事業は12,746か所で、障害児相談支援の事業所数は計画相談支援の約74.9%に当たります(当社計算。複数の事業を行う事業所はそれぞれの事業に計上されるため、両方を行う事業所の割合は統計から分かりません)。
  • 利用実人員(各年9月中、詳細票の推計): 令和2年86,100人、令和3年97,041人、令和4年104,712人、令和5年115,341人、令和6年124,886人です。前年比は令和3年約12.7%増、令和4年約7.9%増、令和5年約10.2%増、令和6年+9,545人(約8.3%増)で、令和2年からは+38,786人(約45.0%増)です(当社計算)。この数字は、9月中に障害児支援利用援助(計画作成)または継続障害児支援利用援助(モニタリング)を提供した人数です(表の注)。
  • 常勤換算従事者数(各年10月1日、詳細票の推計。9月中に利用者がいた事業所の従事者数): 令和2年12,922人、令和3年13,917人、令和4年15,430人、令和5年16,920人、令和6年18,130人です。前年比は令和3年約7.7%増、令和4年約10.9%増、令和5年約9.7%増、令和6年+1,210人(約7.2%増)で、令和2年からは+5,208人(約40.3%増)です(当社計算)。令和6年の内訳は、相談支援専門員12,194人(約67.3%)、管理者4,395人(約24.2%)、その他1,541人(約8.5%)です。令和2年は相談支援専門員8,621人(約66.7%)、管理者2,990人(約23.1%)、その他1,311人でした。令和2年からの増加率は相談支援専門員が約41.4%、管理者が約47.0%です(当社計算)。
  • 1事業所当たりの規模感(当社計算の参考値): 利用実人員を事業所数で割ると、令和2年約11.1人、令和6年約13.1人です。従事者総数を事業所数で割ると令和2年約1.66人、令和6年約1.90人、相談支援専門員は令和2年約1.11人、令和6年約1.28人です。利用実人員を相談支援専門員(常勤換算)で割ると、令和2年約10.0人、令和6年約10.2人で、計画相談支援事業の令和6年(利用実人員308,644人÷専門員17,482人)の約17.7人より少なく見えます。
  • 障害児通所支援の事業所数との比較(令和6年・参考): 児童発達支援14,855か所、居宅訪問型児童発達支援332か所、放課後等デイサービス22,643か所、保育所等訪問支援3,257か所で、4事業の合計は41,087か所です。令和2年(児童発達支援8,849、居宅訪問型172、放課後等デイサービス15,519、保育所等訪問支援1,582の合計26,122か所)からは約57.3%増で、同じ期間の障害児相談支援(約22.9%増)より伸びが大きくなっています。障害児相談支援の事業所数を通所支援4事業の合計で割ると、令和2年約29.8%、令和6年約23.2%です(当社計算。事業所の重なりや、利用者と事業所の対応関係は統計から分かりません)。9月中の利用実人員は、令和6年に児童発達支援が272,333人、放課後等デイサービスが633,631人ですが、障害児相談支援の124,886人とは調査上の定義が異なる推計値で、単純には比べられません。

数字の読み方には注意が必要です。事業所数は基本票の全数ですが、利用実人員と従事者数は詳細票からの推計値で、標本調査に伴う誤差を含みます。利用実人員は9月中、事業所数と従事者数は10月1日現在で時点が異なり、従事者数は9月中に利用者がいた事業所だけの数字です(表8の注)。表の利用実人員は、利用実人員が不詳の事業所を除いています(表5の注)。上の「1事業所当たり」や「専門員1人当たり」は、統計の数字を単純に割った当社の参考値で、基準省令が定める配置の標準(後述)とは母数・時点・常勤換算の扱いが異なるため、実際の担当件数や配置の過不足を示すものではありません。報酬の区分、収支差率、経営主体別の構成、障害児通所支援事業との併設割合、1人当たりの計画作成・モニタリングの件数は今回確認した資料からは把握できず、要検証です。

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障害児相談支援事業所の経営課題、主要な6パターン

ここからは、上の数字と法令の条文を踏まえ、経営課題を整理します。報酬や加算といった細かい条件は今回確認できていないため、確認できた範囲に絞り、断定を避けます。個々の事業所の状況は個別に確認が必要です。

①事業所は4年で約22.9%増えたが、通所支援(約57.3%増)ほどではない:「事業所数」より「通所支援の増加に対する計画の受け皿」を見る

令和6年は9,548か所と、令和2年から1,776か所増えました。ただ、障害児通所支援4事業の事業所数は約57.3%増えており、障害児相談支援の事業所数を通所支援4事業の合計で割った値は約29.8%から約23.2%へ下がっています(当社計算の参考値)。通所給付決定の申請に当たっては、市町村が内閣府令で定める場合に、指定障害児相談支援事業者が作成する障害児支援利用計画案の提出を保護者に求めることとされており(法第21条の5の7第4項)、通所支援が増えるほど計画の需要も生まれうる構造です。この比の低下が、計画の作成やモニタリングの遅れ、保護者によるセルフプランの増加などにつながっているかどうかは、統計に載っておらず要検証です。市町村ごとの事業所の偏在も、今回の資料では把握できません。

②利用実人員は約45.0%増、1事業所当たり約11.1人から約13.1人へ:稼働の伸びと従事者の伸びを分けて見る

利用実人員は令和2年から約45.0%増え、従事者(約40.3%増)や事業所数(約22.9%増)の伸びを上回っています。1事業所当たりの利用実人員は約11.1人から約13.1人へ増えた一方、利用実人員を相談支援専門員で割った値は約10.0人から約10.2人で、ほぼ横ばいです(当社計算の参考値)。つまり、利用者の増加に対し、事業所の数と専門員の数の両方が増えて対応している構図に見えますが、新規の指定を受けた事業所が継続的に利用者を受け持てているか、利用者の紹介元(通所支援事業者・市町村・保護者)はどこかは、統計から分かりません。令和6年の利用実人員の伸び(約8.3%)は令和3年(約12.7%)より小さくなっていますが、その理由は要検証です。

③従事者の約3分の2が相談支援専門員、管理者も約24%:標準は35、資格の要件は告示で、要検証

令和6年の従事者(常勤換算)18,130人のうち、相談支援専門員が12,194人(約67.3%)、管理者が4,395人(約24.2%)です(当社計算)。基準省令(平成24年厚生労働省令第29号)第3条第1項は、事業所ごとに専らその職務に従事する相談支援専門員を置くことを求め、業務に支障がない場合は他の職務や他の事業所・施設等の職務との兼務を認めています。員数の標準は、障害児相談支援対象保護者の数が35またはその端数を増すごとに1人で、この数は前6月の平均値、新規に指定を受ける場合は推定数です(第2項・第3項)。計画相談支援の指定を併せて受け、同一の事業所で一体的に運営している場合は、障害児相談支援の保護者の数と計画相談支援の利用者の数の合計で数えます。一定の要件(報酬告示の基準への適合と、告示で定める者による指導・助言の体制)を満たすと、社会福祉士または精神保健福祉士の資格を持つ相談支援員を置くこともできます(第4項)。相談支援専門員とされる者の範囲は「こども家庭庁長官が定めるもの」で、具体的な資格・研修の要件は告示等にあり、今回は取得していないため要検証です。管理者も専らその職務に従事する者を置き、管理上支障がない場合は兼務できます(第4条)。主たる事業所と一体的に管理運営する従たる事業所を置く場合は、それぞれに専ら従事する相談支援専門員が1人以上必要です(第4条の2)。

④通所給付決定の前後で2種類の計画:計画案、サービス担当者会議、モニタリングの期間

基準省令第15条は、指定障害児相談支援の具体的な進め方を定めています。計画の作成に当たっては、障害児の年齢と発達の程度に応じて意見が尊重され、最善の利益が優先して考慮されるよう保護者の希望等を踏まえて作成するよう努めること、アセスメントは障害児の居宅を訪問して障害児とその家族に面接して行うこと、障害児支援利用計画案は文書で同意を得て交付すること、通所給付決定を踏まえて案を変更し、サービス担当者会議で説明して意見を求めたうえで、計画を障害児等と担当者に交付すること、などが規定されています(第2項)。モニタリングでは、法第6条の2の2第8項の内閣府令で定める期間ごとに障害児の居宅を訪問して面接し、結果を記録します(第3項第2号)。この期間は、施行規則第1条の2の7が、市町村が必要と認める期間としたうえで、原則6月間、障害児入所施設からの退所等に伴い集中的な支援が必要な者や家族の障害・疾病等で事業者との連絡調整が困難な者は1月間、給付決定の変更で通所支援の種類・内容・量に著しい変動があった者は利用開始日から3月を経過するまでの間1月間、という区分で定めています。障害児が告示で定める地域に居住し事業所と障害児の居宅等との間に一定の距離があること、面接の前月または前々月に居宅等を訪問して面接を行っていること、の要件をいずれも満たせば、アセスメントやモニタリングの面接にテレビ電話装置等を活用することも認められています(第15条の2。告示で定める地域の範囲は要検証)。通所支援側の件数と、個々の市町村が定める期間の運用は統計から分からず、実際の稼働の波を含めて要検証です。

⑤公正中立と利益収受の禁止:通所支援事業者が多い中で「併設・同一法人」の透明性が論点になりうる

基準省令第2条第4項は、提供される福祉サービス等が特定の種類や特定の障害児通所支援事業を行う者に不当に偏らないよう、公正中立に行うことを求めています。第26条は、事業者・管理者が相談支援専門員に特定のサービスを位置付けるよう指示することや、専門員が障害児等に特定の事業者の利用を指示すること、特定のサービスを利用させる対償として金品等の利益を受け取ることを禁止しています。計画に位置付ける内容も、指定通所支援に限らず、指定通所支援以外の福祉サービス等や地域住民の自発的な活動によるサービスの利用を含めて位置付けるよう努めることとされています(第15条第2項第3号)。前述の通り障害児通所支援は事業所数が4万か所を超える規模で、児童発達支援や放課後等デイサービスを同じ法人が運営している事業所の割合は統計に載っていません。併設・同一法人が計画の中立性をどう担保しているか、運営規程や公表情報で何が確認できるかは、事業所ごとの確認が必要で、要検証です。

⑥指定は市町村長・事業所ごと・6年ごとの更新、届出と業務管理体制と記録:運営の管理コストを見る

指定は市町村長が行い(法第24条の26第1項第1号)、障害児相談支援事業所ごとに申請します(第24条の28)。指定は6年ごとの更新を受けなければ効力を失います(第24条の29)。申請先は事業所の所在地を管轄する市町村長で、事業の主たる対象とする障害の種類を運営規程で定めていないこと(他の事業者と連携して対応できる体制がある場合などを除く)、協議会に定期的に参加する等の関係機関との連携体制、専門員への計画的な研修や事例検討の体制が、指定の基準として施行規則第25条の26の6第2項に定められています。事業所の名称・所在地などに変更があったときは10日以内に市町村長へ届け出、事業の廃止・休止は1か月前までに届け出ます(法第24条の32)。廃止・休止の際は、届出の日前1か月以内に支援を受けていた利用者が希望すれば、他の事業者への連絡調整などで支援が継続されるようにすることも義務です(第24条の31第3項)。事業者は業務管理体制も整備し、事業所数に応じて法令遵守責任者の選任や規程の整備、監査が求められます(法第24条の38、施行規則第25条の26の8)。記録は、相談支援台帳(計画案・計画、アセスメント、サービス担当者会議、モニタリングの記録)などを提供した日から5年間保存します(基準省令第30条)。運営規程の記載事項(第19条)、勤務体制の確保と専門員の研修機会の確保(第20条)も定められています。こうした管理業務をどの程度の人員と仕組みで回しているかは事業所ごとに異なり、統計から分かりません。

商談前に見ておきたい障害児相談支援特有の公開情報

障害児相談支援の事業所に営業やヒアリングを行う前に、次のような公開情報を確認しておくと、論点を絞りやすくなります。

  • 運営法人と併設事業: 計画相談支援や地域相談支援を併せて運営しているか、児童発達支援・放課後等デイサービスなどの通所支援を同じ法人が運営しているか。市町村や都道府県が公表している指定事業所の一覧と、事業所の紹介ページで確認します。
  • 対応する地域と対象: 運営規程の「通常の事業の実施地域」と「事業の主たる対象とする障害の種類」(第19条)。対応する市町村が限られているか、年齢や障害の種類をどう整理しているか。
  • 相談支援専門員・相談支援員の人数と求人: 専門員の人数、社会福祉士・精神保健福祉士の相談支援員の有無、募集の有無・条件(資格の細目は告示で、要検証)。
  • 管理者と専門員の兼務の状況: 管理者が専門員を兼ねているか、他の事業所の職務を兼ねているか(第3条・第4条)。
  • 計画・モニタリングの運用: 計画案、サービス担当者会議、居宅訪問によるモニタリング、結果の記録をどう管理し、保護者や通所支援事業者へどう共有しているか。紙・表計算・専用システムのどれで行っているか。
  • 市町村との連絡と請求の事務: 給付費の請求、利用者負担額の管理(第13条)、市町村への通知などを誰がどの方法で行っているか。

これらを一件ずつ手作業で調べるとかなりの時間がかかりますが、会社名を入力するだけで公開情報を横断し、経営課題・提案システム・ROI・想定反論まで出典付きで調べられるZEROSYSリサーチのようなツールを使えば、当たりをつける作業そのものを効率化できます。調査は1社あたり10〜15分程度で、そのまま提案書のたたき台にできる形で出力されます。

よくある質問

障害児相談支援の事業所は全国にいくつありますか?

厚生労働省の令和6(2024)年社会福祉施設等調査(令和6年10月1日現在)では、障害児相談支援事業が9,548か所です。前年(9,103か所)から445か所(4.9%)増え、令和2年(7,772か所)からは約22.9%(当社計算)増えています。複数の事業を行う事業所はそれぞれの事業に計上されるため、計画相談支援事業(12,746か所)などと事業所が重なっている可能性があります。

障害児相談支援とは何ですか?

児童福祉法第6条の2の2は、障害児相談支援を障害児支援利用援助と継続障害児支援利用援助を行うことと定めています。障害児支援利用援助は、障害児支援利用計画案の作成と、通所給付決定が行われた後の関係者との連絡調整、障害児支援利用計画の作成です。継続障害児支援利用援助は、内閣府令で定める期間ごとに利用状況を検証して計画の見直しを行い、計画の変更や、新たな給付決定または変更の申請の勧奨を行うことです。

計画相談支援とはどう違いますか?

計画相談支援は障害者総合支援法に基づき障害のある大人などのサービス等利用計画を扱い、障害児相談支援は児童福祉法に基づき障害児通所支援の通所給付決定に関する障害児支援利用計画を扱います。統計上も別の行で集計され、令和6年の事業所数は計画相談支援が12,746か所、障害児相談支援が9,548か所です。基準省令も、計画相談支援は平成24年厚生労働省令第28号、障害児相談支援は同第29号が別に定めています。同じ事業所が両方の指定を受けて一体的に運営している場合の人員の数え方は、第29号第3条第2項に規定があります。

障害児相談支援の人員基準はどうなっていますか?

基準省令(平成24年厚生労働省令第29号)第3条は、事業所ごとに専らその職務に従事する相談支援専門員を置くことを求め、業務に支障がない場合は兼務を認めています。員数の標準は、障害児相談支援対象保護者の数(前6月の平均値、新規指定は推定数)が35またはその端数を増すごとに1人です。管理者は第4条で、専らその職務に従事する者を置くことが求められ、管理上支障がない場合は兼務できます。相談支援専門員とされる者の範囲や報酬上の基準は告示で定められており、最新の条文・告示はe-Gov法令検索で現行のものをご確認ください。

障害児相談支援の従事者はどのくらいいますか?

令和6年10月1日現在の常勤換算従事者数は18,130人で、前年(16,920人)から約7.2%(当社計算)増えています(詳細票の推計。9月中に利用者がいた事業所の従事者数)。内訳は、相談支援専門員12,194人、管理者4,395人、その他1,541人です。9月中の利用実人員は124,886人で、障害児支援利用援助または継続障害児支援利用援助を提供した人数です。

障害児相談支援事業者の指定は誰が行いますか?

児童福祉法第24条の26第1項第1号は、市町村長が指定する障害児相談支援事業を行う者を指定障害児相談支援事業者と定めています。指定は障害児相談支援事業所ごとに申請により行い(第24条の28)、6年ごとに更新を受けなければ効力を失います(第24条の29)。申請書は事業所の所在地を管轄する市町村長に提出します(施行規則第25条の26の6)。

モニタリングはどのくらいの間隔で行いますか?

基準省令第15条第3項第2号は、法第6条の2の2第8項の内閣府令で定める期間ごとに障害児の居宅を訪問して面接するよう定めています。施行規則第1条の2の7は、この期間を市町村が必要と認める期間とし、原則は6月間、障害児入所施設からの退所等に伴い集中的な支援が必要な場合や家族の障害・疾病等で連絡調整が困難な場合は1月間、通所支援の種類・内容・量に著しい変動があった場合は利用開始日から3月を経過するまでの間1月間、という区分を示しています。実際にどの期間が定められるかは市町村の決定によるため、個別の確認が必要です。

まとめ

障害児相談支援事業所の経営課題は、①事業所は令和2年から約22.9%増えたが、通所支援(約57.3%増)ほどではなく、計画の受け皿を事業所数だけで見ないこと②利用実人員は約45.0%増え、1事業所当たりは約13.1人で、稼働の伸びと従事者の伸びを分けて見る必要があること③従事者の約67%が相談支援専門員で、標準は35人ごとに1人、資格の要件は告示にあること④通所給付決定の前後で計画案と計画を作り、サービス担当者会議とモニタリングの期間(原則6月間などの区分)の運用を管理すること⑤公正中立と利益収受の禁止の下で、通所支援事業者との併設・同一法人の透明性が論点になりうること⑥指定は市町村長が事業所ごとに行い6年ごとの更新があり、届出・業務管理体制・5年間の記録保存など管理業務がかかること、の6つです。営業やヒアリングの前に、事業所の併設事業、対応する地域と対象、専門員の人数、運営規程を公開情報で整理しておくと、論点を絞りやすくなります。