結論から: 厚生労働省の「社会福祉施設等調査」(令和6年10月1日現在)では、同行援護事業は8,187か所で、令和5年の8,361か所から174か所(約2.1%)減りました。令和2年(8,413か所)からは約2.7%の減少です(当社計算)。一方、9月中の利用実人員(障害者)は令和6年に31,866人で令和2年から約11.4%増、常勤換算従事者は31,802人で約16.3%増と、事業所の数が減るなかで、利用者と担い手の総数は増えています。利用者1人当たりの訪問回数は6.0回で、居宅介護(障害者・身体介護が中心)の19.3回、重度訪問介護の26.2回とは使われ方が大きく異なります。つまり、事業所数の増減だけでは経営の実態が見えにくく、利用の密度・人材の確保・指定の構造の3つを分けて見る必要があります。報酬や加算、従業者の資格の細目は告示・通知に委ねられており、本記事では「要検証」と明記しているため、営業や開設の前に公的な一次情報で必ずご確認ください。

同行援護を「居宅介護や重度訪問介護と同じ訪問系」と見ない理由

中小企業に共通する経営課題の型(人手不足・後継者不在・DXの遅れなど)は経営課題の見つけ方|中小企業10パターンで整理した通りです。この記事で扱うのは障害者総合支援法の「同行援護」で、居宅介護や重度訪問介護と同じ訪問系の障害福祉サービスですが、対象と提供の場面が条文で明確に切り分けられています(同じ法律の重度訪問介護は重度訪問介護事業所の記事をご覧ください)。

障害者総合支援法第5条第4項は、同行援護を、視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等につき、外出時において、当該障害者等に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護その他の主務省令で定める便宜を供与することと定めています。施行規則第1条の5は、その便宜を、外出時において当該障害者等に同行して行う移動の援護、排せつ及び食事等の介護その他の当該障害者等の外出時に必要な援助としています。ここでいう障害者等は、法第2条第1項第1号により障害者及び障害児を含みます。

経営の観点で押さえておきたい特徴は3つです。第1に、対象が「視覚障害により移動に著しい困難を有する」人に限られ、提供の場面が外出時に限られる点です。居宅での入浴・調理・掃除といった生活全般の援助が定義に含まれる居宅介護や、居宅と外出時の移動中の介護を総合的に行う重度訪問介護とは、サービスの形が違います。第2に、基準省令第43条第2項が、居宅介護の運営基準のうち第9条から第31条まで及び第33条から第42条までを同行援護に準用する一方、入浴・排せつ・食事等の介護や家事を常に総合的に提供し特定の援助に偏ってはならないとする第32条は準用に含めていない点です(重度訪問介護は同条第1項で第9条から第42条までを読み替えて準用し、第32条も対象です)。第3に、対象の具体的な要件(視覚障害の程度や支給決定の判断の仕方)は告示・通知にあり、今回は取得していないため要検証です。

業界の全体像を数字で見る

厚生労働省の「令和6(2024)年社会福祉施設等調査の概況」と、令和2年から令和5年の各概況から、次の数字が分かります。

  • 事業所数(各年10月1日、基本票の全数): 令和元年8,523か所、令和2年8,413か所、令和3年8,255か所、令和4年8,359か所、令和5年8,361か所、令和6年8,187か所です。前年比は令和2年-110か所(1.3%減)、令和3年-158か所(1.9%減)、令和4年+104か所(1.3%増)、令和5年+2か所(ほぼ横ばい。令和6年概況の前年欄から算出)、令和6年-174か所(2.1%減)です。令和元年からは-336か所(約3.9%減)、令和2年からは-226か所(約2.7%減)です(当社計算)。同じ令和6年の居宅介護事業は26,485か所、重度訪問介護事業は22,849か所、行動援護事業は3,117か所(前年比+140か所・4.7%増)で、同行援護の事業所数は居宅介護の約31%、重度訪問介護の約36%の規模です(当社計算。複数の事業を行う事業所はそれぞれの事業に計上されるため、重なりの実態は統計から分かりません)。
  • 利用実人員(各年9月中、詳細票の推計): 障害者は令和2年28,614人、令和3年29,165人、令和4年28,958人、令和5年31,229人、令和6年31,866人です。令和4年は前年から約0.7%減ったあと、令和5年に約7.8%増、令和6年は+637人(約2.0%増)で、令和2年からは+3,252人(約11.4%増)です(当社計算)。障害児は令和2年153人、令和3年169人、令和4年180人、令和5年178人、令和6年178人で、規模は障害者の約0.6%にとどまります(当社計算)。
  • 訪問回数(9月中): 障害者の訪問回数の合計は令和2年175,040回、令和3年177,669回、令和4年173,321回、令和5年189,755回、令和6年190,367回です。令和6年は利用実人員が約2.0%増えたのに対し、訪問回数の合計は前年比+612回(約0.3%増)でした(当社計算)。1人当たりの訪問回数は令和2年6.1回、令和3年6.1回、令和4年6.0回、令和5年6.1回、令和6年6.0回で、5年間ほぼ6回前後です。障害児の令和6年は178人・944回・1人当たり5.3回(令和5年は6.5回)です。
  • 常勤換算従事者数(各年10月1日、詳細票の推計。9月中に利用者がいた事業所の従事者数): 令和2年27,344人、令和3年27,287人、令和4年24,795人、令和5年29,232人、令和6年31,802人です。令和4年は前年比約9.1%減、令和5年は17.9%増(概況に記載)、令和6年は+2,570人(約8.8%増)で、令和2年からは+4,458人(約16.3%増)です(当社計算)。令和6年の内訳は、介護福祉士15,077人(約47.4%)、初任者研修修了者(旧ヘルパー2級研修課程修了者を含む)6,614人(約20.8%)、同行援護従業者養成研修修了者5,914人(約18.6%)、実務者研修修了者2,211人(約7.0%)、旧ホームヘルパー1級456人、旧介護職員基礎研修306人、障害者居宅介護従業者基礎研修課程修了者(旧ヘルパー3級研修課程修了者を含む)145人、その他1,079人です。同行援護従業者養成研修修了者は令和2年の3,905人(約14.3%)から約51.4%増え、構成比も約4.3ポイント上がりました(当社計算)。
  • 1事業所当たりの規模感(当社計算の参考値): 障害者の利用実人員を事業所数で割ると、令和2年約3.40人、令和6年約3.89人です。従事者総数を事業所数で割ると、令和2年約3.25人、令和6年約3.88人です。

数字の読み方には注意が必要です。事業所数は基本票の全数ですが、利用実人員・訪問回数・従事者数は詳細票からの推計値で、標本調査に伴う誤差を含みます。利用実人員は9月中、事業所数と従事者数は10月1日現在で時点が異なり、従事者数は9月中に利用者がいた事業所だけの数字です(表8の注)。表5の利用実人員と訪問回数は、利用実人員不詳及び訪問回数不詳の事業所を除いています(表5の注)。このため上の「1事業所当たり」は統計の数字を単純に割った当社の参考値で、法令が定める配置の基準(後述)とは関係がなく、比較にも使えません。表8は調査した職種だけを載せ、それ以外は「…」とされており、重度訪問介護従業者養成研修や行動援護従業者養成研修の欄は同行援護の行では「…」です。なお、利用者1人当たりの利用時間数、視覚障害者全体に占める利用者の割合、利用目的の内訳(通院・買い物・余暇など)は概況に載っておらず、この統計からは分かりません。

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同行援護事業所の経営課題、主要な6パターン

ここからは、上の数字と法令の条文を踏まえ、経営課題を整理します。報酬や加算といった細かい条件は今回確認できていないため、確認できた範囲に絞り、断定を避けます。個々の事業所の状況は個別に確認が必要です。

①事業所数は令和2年から約2.7%減、一方で利用者と従事者は増えている:「数」ではなく「1事業所当たりの稼働と担い手」を見る

令和6年は8,187か所と、令和2年から226か所減りました。ところが、障害者の利用実人員は約11.4%増、従事者は約16.3%増で、1事業所当たりの利用実人員は約3.40人から約3.89人へ(参考値)増えています。小規模な事業所の廃止・統合と、残る事業所の規模拡大が同時に起きている可能性がありますが、減った理由(廃止・休止・他の事業への集約など)は概況に載っておらず、要検証です。指定を持つことと、継続的に利用者に対応できることは別の話と読めます。

②利用の密度が低く、訪問回数が伸びていない:利用者1人当たり月6回前後、利用者数に比べ訪問回数は横ばい

障害者の1人当たり訪問回数は令和2年から令和6年まで6.0~6.1回で推移し、令和6年は居宅介護(障害者・身体介護が中心)の19.3回や重度訪問介護の26.2回を大きく下回ります。令和6年は利用実人員が約2.0%増える一方、訪問回数の合計は約0.3%増にとどまりました(当社計算)。外出に限った支援であるため、利用が月に数回の単位になる使われ方が中心と読めますが、これは統計から直接は確認できず、推測です。訪問1回の長さ(時間数)、利用が特定の時期に集まるかどうかは概況に載っておらず、事業所ごとの稼働の波を含めて要検証です。

③対象は視覚障害で、提供は外出時に限られる:居宅での生活援助や「総合的な提供」の準用はない

対象は法第5条第4項のとおり、視覚障害により移動に著しい困難を有する障害者等で、提供の場面は外出時です。基準省令第4条第3項も、同行援護の事業の目的を、外出時に同行し、移動に必要な情報の提供、移動の援護、排せつ及び食事等の介護その他の外出時に必要な援助を行うことと定めています。さらに第43条第2項は第32条(介護等の総合的な提供)を準用の対象に含めていません。具体的には、視覚障害のある人の通院・買い物・行政手続・余暇などの外出が主な場面と読めますが、利用目的の内訳は統計から分からず、要検証です。障害児を対象に同行援護を行う場合は、施行規則第34条の7第1項第5号の2が、指定申請の際に障害児の利用者の推定数を記載するよう定めています(令和6年の障害児の利用実人員は178人で、障害者の約0.6%です)。

④従事者は3万人超に増えたが、構成の変化と研修修了者の増加が際立つ:資格要件の細目は告示で、要検証

令和6年の従事者(常勤換算)31,802人のうち、介護福祉士が約47.4%、初任者研修修了者(旧ヘルパー2級を含む)が約20.8%、同行援護従業者養成研修修了者が約18.6%です(当社計算)。令和2年と比べ、養成研修修了者は3,905人から5,914人へ約51.4%増え、介護福祉士は13,876人から15,077人へ約8.7%の増加にとどまるため、介護福祉士の構成比は約50.7%から約47.4%へ下がりました(当社計算)。基準省令第5条第1項は、事業所ごとに置くべき従業者の員数を常勤換算で2.5以上とし、従業者を「こども家庭庁長官及び厚生労働大臣が定めるもの」としています(第7条は第5条・第6条を同行援護に準用し、「こども家庭庁長官及び」の読替が入るのは重度訪問介護のみです)。誰が従業者に当たるか、どの研修の修了が求められるかは告示で定められており、今回は取得していないため要検証です。従事者は令和4年に約9.1%減ったあと、令和5年に17.9%増、令和6年に約8.8%増と振れ幅が大きく、採用難や離職の実態は統計から分かりません。

⑤サービス提供責任者と一体運営:居宅介護の事業所に自動で指定が及ぶ規定は、同行援護には置かれていない

基準省令第5条第2項は、常勤の従業者であって専ら職務に従事するもののうち事業の規模に応じて1人以上をサービス提供責任者とすると定め、同行援護や重度訪問介護、行動援護の指定を併せて受け同一の事業所で一体的に運営している場合は、一体的に運営している事業全体の規模で数えるとしています。一方、施行規則第34条の7第2項が定める「居宅介護の指定事業所は別段の申出がなければ指定を受けたものとする」規定(みなし指定)の対象は、条文上は重度訪問介護だけで、同行援護は含まれていません。つまり、居宅介護を行う事業所が同行援護も行うには、同行援護の指定を別に受ける構造と読めますが、都道府県ごとの申請の運用は要検証です。居宅介護や重度訪問介護と併設する法人で、サービス提供責任者がどの事業を兼ねているかは、事業所の人員配置と業務量を見るうえでの論点になります。

⑥指定は都道府県知事・6年ごとの更新、共生型の対象に含まれない:計画・運営規程・研修の管理が経営の論点

法第36条第1項は、指定障害福祉サービス事業者の指定を、サービスの種類と事業所ごとに申請により行うと定め、施行規則第34条の7第1項は同行援護の指定の申請を事業所の所在地を管轄する都道府県知事へ行うと定めています。指定は6年ごとに更新を受けなければ効力を失います(法第41条第1項)。支給決定の有効期間は、施行規則第15条第1項第1号が、同行援護を居宅介護などと同じ区分として、支給決定を行った日の属する月の末日までの期間に、1月間から12月間までの範囲内で月を単位として市町村が定める期間を合算したものと定めています。共生型の特例(法第41条の2)の対象は、施行規則第34条の26の2により重度訪問介護・短期入所・自立訓練とされ、同行援護は含まれていません。介護保険の訪問介護事業者が共生型として参入する経路が同行援護には条文上置かれていない点は、重度訪問介護と異なります。運営基準の核は、サービス提供責任者による居宅介護計画の作成(第26条。計画は利用者・同居家族と、計画相談支援を行う者などへ交付)、緊急時の対応(第28条)、運営規程の整備(第31条。従業者の職種・員数・職務の内容、営業日・営業時間、通常の事業の実施地域、緊急時の対応方法、虐待の防止の措置など)、勤務体制と研修機会の確保(第33条)で、いずれも第43条第2項で同行援護に準用されます。計画・記録・勤務の管理を紙や表計算のまま行っている事業所では、更新や運営指導の前に負担が増えやすい業務ですが、実態は事業所ごとに異なり、要検証です。

商談前に見ておきたい同行援護特有の公開情報

同行援護の事業所に営業やヒアリングを行う前に、次のような公開情報を確認しておくと、論点を絞りやすくなります。

  • 運営法人と併設事業: 居宅介護・重度訪問介護・行動援護を併せて運営しているか、計画相談支援や視覚障害者向けの他の事業(相談・訓練・福祉用具など)を同じ法人が運営しているか。都道府県などが公表している指定事業所の一覧と、事業所の紹介ページで確認します。
  • 対象とする利用者: 視覚障害のある利用者のうち、障害児を受け入れているか、盲ろう者など特別な配慮を要する人への対応が紹介ページや運営規程にどう書かれているか(対応の有無は事業所ごとの確認が必要です)。
  • 営業時間と通常の事業の実施地域: 運営規程の記載(基準省令第31条)で、休日・早朝夜間の対応と、同行できる範囲(通院・買い物・行政手続・余暇など)を確認します。
  • 職員の資格と人数、求人: 介護福祉士・初任者研修・同行援護従業者養成研修の修了者の人数と、募集の有無・条件(要件の細目は告示で、要検証)。
  • サービス提供責任者の体制: 計画の作成と更新、従業者への指導を担う人の人数と、居宅介護・重度訪問介護などとの兼務の状況。
  • 記録と請求の事務: 居宅介護計画、同行の記録、勤務シフト、給付費の請求を、紙・表計算・専用システムのどれで行っているか。

これらを一件ずつ手作業で調べるとかなりの時間がかかりますが、会社名を入力するだけで公開情報を横断し、経営課題・提案システム・ROI・想定反論まで出典付きで調べられるZEROSYSリサーチのようなツールを使えば、当たりをつける作業そのものを効率化できます。調査は1社あたり10〜15分程度で、そのまま提案書のたたき台にできる形で出力されます。

よくある質問

同行援護の事業所は全国にいくつありますか?

厚生労働省の令和6(2024)年社会福祉施設等調査(令和6年10月1日現在)では、同行援護事業が8,187か所です。前年(8,361か所)から174か所(2.1%)減り、令和2年(8,413か所)からは約2.7%(当社計算)減っています。複数の事業を行う事業所はそれぞれの事業に計上されるため、居宅介護事業(26,485か所)などと事業所が重なっている可能性があります。

同行援護とは何ですか?

障害者総合支援法第5条第4項は、視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等につき、外出時において、当該障害者等に同行し、移動に必要な情報を提供するとともに、移動の援護その他の主務省令で定める便宜を供与することと定めています。施行規則第1条の5は、その便宜として、同行して行う移動の援護、排せつ及び食事等の介護その他の外出時に必要な援助を挙げています。

同行援護の対象者は誰ですか?

法第5条第4項は、視覚障害により、移動に著しい困難を有する障害者等を対象としています。障害者等には障害児も含まれます(法第2条第1項第1号)。具体的な支給決定の要件(視覚障害の程度や、アセスメントの項目など)は告示・通知にあるため、今回の確認範囲には含まれず、要検証です。

同行援護と居宅介護・重度訪問介護の違いは何ですか?

法第5条は、居宅介護を居宅における入浴・排せつ・食事の介護その他の便宜の供与、重度訪問介護を常時介護を要する重度の障害者への居宅等での介護と外出時の移動中の介護の総合的な供与、同行援護を視覚障害のある人の外出時の同行と移動に必要な情報提供などとして、それぞれ別に定義しています。統計上も別の行で集計され、令和6年の9月中の1人当たり訪問回数は、同行援護(障害者)が6.0回、居宅介護(障害者・身体介護が中心)が19.3回、重度訪問介護が26.2回です。また、基準省令第43条第2項は、同行援護について第32条(介護等の総合的な提供)を準用の対象に含めていません。

同行援護の人員基準はどうなっていますか?

基準省令(平成18年厚生労働省令第171号)第5条は、事業所ごとに置くべき従業者の員数を常勤換算で2.5以上とし、常勤の従業者のうち事業の規模に応じて1人以上をサービス提供責任者とすると定めています。第6条の管理者は、専らその職務に従事する常勤の者を原則とし、管理上支障がない場合は兼務を認めています。同行援護には第7条でこれらが準用されます。従業者に当たる者の範囲は告示で定められており、員数やサービス提供責任者の具体的な基準も含め、最新の条文・告示はe-Gov法令検索で現行のものをご確認ください。

同行援護の従事者はどのくらいいますか?

令和6年10月1日現在の常勤換算従事者数は31,802人で、前年(29,232人)から約8.8%増えています(詳細票の推計。9月中に利用者がいた事業所の従事者数)。内訳は、介護福祉士15,077人、初任者研修修了者6,614人、同行援護従業者養成研修修了者5,914人、実務者研修修了者2,211人などです。9月中の利用実人員(障害者)は31,866人です。

居宅介護の事業所は自動的に同行援護の指定も受けたことになりますか?

施行規則第34条の7第2項は、居宅介護の指定事業所で重度訪問介護の基準を満たすものについて、事業者が別段の申出をしない限り重度訪問介護の指定を受けたものとすると定めており、条文上、同じ扱いの対象は重度訪問介護だけで、同行援護は含まれていません。同行援護の指定は、同条第1項に基づき事業所の所在地を管轄する都道府県知事へ申請する構造です。申請の運用や必要書類は都道府県ごとに異なる可能性があり、要検証です。

まとめ

同行援護事業所の経営課題は、①事業所数は令和2年から約2.7%減った一方で利用者と従事者は増えており、1事業所当たりの稼働と担い手を見る必要があること②利用者1人当たりの訪問回数が月6回前後で、利用者数の伸びに比べ訪問回数の合計が横ばいに近く、稼働の読み方に注意が必要なこと③対象は視覚障害で提供は外出時に限られ、第32条(総合的な提供)の準用がないなど、居宅介護や重度訪問介護と形が異なること④従事者は増えているが、同行援護従業者養成研修修了者の増加など構成が変わり、資格要件の細目が告示にあること⑤サービス提供責任者は一体運営で数える一方、居宅介護の事業所に自動で指定が及ぶ規定が同行援護にはなく、指定は別に受ける構造であること⑥指定は都道府県知事が行い6年ごとの更新があり、共生型の対象に含まれないため、計画・運営規程・研修の管理が論点になること、の6つです。営業やヒアリングの前に、事業所の併設事業、対象とする利用者、職員の資格と人数、運営規程を公開情報で整理しておくと、論点を絞りやすくなります。